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ぼくたちのうたがきこえますか
–そらにいちばんちかい海–
逗子アートフェスティバル
2018|菊池ビル屋上
企画:長峰宏治
スペシャルパフォーマンス演出・出演:Chii
素材:漂着プラスチック
使用済みクリアファイル
写真:サカタヤスノ
Concept
この海に育った
波に身をまかせ浮く
ぽっかりと浮かびでた僕の顔に
あふれんばかりの空がふりそそぐ
それとは対照的に
水の中の音は孤独で
体温と共に僕の細胞は深くしずかなもう一つの世界にとけだしてゆく
こぽりこぽり
くぷ くぷ くぷぷ
海のなかでひろがるうた
もし生命に音があるならば、こんな音なのかもしれない
ゆっくりとゆられながら今と、遠い記憶をいききする
目をとじる
脈動ははてしない海へと浸透する
もし生命が38億年前にこの海からはじまったとするならば
ぼくは、このとてつもない時間の中で
地球上のほんの一瞬の点にすぎない
それでもとだえることなく繋がって
そしてまた繋がって ここに浮遊する奇跡
もし海に、人間には計り知れない魂が宿っているならば、
そのひとは、いったい何をみてきたのだろう
どんな景色に触れたのだろう
水分子で構成されたそのひとは、あおく透明で
海にそそぐ光をいだき
海のそこにささやかな明かりをとどける
まるで壮大な海月のようにたおやかに
さんごや、わかめ、さかな達のようにやさしく
広い海の中をゆったりと形をかえてまた海となる
それを繰り返すのだ
とおい記憶のなかで、ぼくはそのひとにつつまれていたようにおもう
ぼくは大人になった
そしていまここにたつ
つながってここにたつ
それでもやっぱり海をおもう
なかまたちと海をおもう
ぼくたちのうたがきこえますか
この街にそよぐやわらかな風に導かれ
そのひとがこの場所にたちよることを
ぼくたちはそっと待ちたいと思う
風をあおぎ手をひろげて
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